琵琶湖のオカッパリでネッドリグに本気で取り組んで見えてきた事

ネッドリグ バスフィッシング
ネッドリグ

みなさんはネッドリグをご存じでしょうか。日本においては数年前に一瞬盛り上がり、今ではフェードアウトしている印象です。
ところが本場アメリカでは完全に市民権を得ており、ビギナーからバスプロまで広く浸透しています。
「アメリカで流行するには何かメリットがあるに違いない」
数年前から何となくそんな期待を抱いていましたが、意を決して2021年秋~冬シーズンのほとんどを琵琶湖でのネッドリグに費やしてみました。
やり込む中である程度は釣れるようになり、現時点で見えてきた事をまとめてみました。
ネッドリグが気になっている
買ってはみたがホコリかぶってる
そんな方は参考にしてみてください。

ネッドリグとは

ネッドリグってそもそも何?

そもそもネッドリグとは、どんなリグでしょうか。この記事によると、2006年頃にNed Kehde氏によって考案されたということになっています。
今でこそ各社からネッドリグ用のワームが発売されていますが、本家はやはりZ-Manということになります。
リグの定義としては、
軽量ののマッシュルームジグヘッドに、高浮力高耐久性ソフトベイト
という事のようです。
フィネスな位置づけですので、スピニングタックルがメインとなります。
代表的なアクションは下図のような説明をよく見かけます。


ネッドリグって釣れるの?

ネッドリグの現時点で最大魚の55cm
現時点で最大魚の55cm

結論から申し上げると、「ちゃんと使えば釣れる」という事になります。
2021年10月からこの記事執筆時点の2022年1月まで、琵琶湖での時間の90%をネッドリグにつぎ込みました。
残りの10%も、ネッドリグの優位性を確認するためにあえてミドストやミノーなどを検証したに過ぎません。
その3ヶ月間で数えきれないバスを釣り、最大55cmまでキャッチできました。
「ちゃんと使えば…」の部分は後述します。

なぜ日本で流行らないのか

可能性を感じない見た目

Finesse TRD
Z-Man Finesse TRD ただの棒

ネッドリグに使用するワームの代表格は、Z-ManのFinesse TRDであることは誰もが認めるところかと思います。
他社からもネッドリグ用ワームが発売されていますが、そのほとんどは「太く短いただの棒」の形状です。
魅力的なテールも無ければ、手足も触手もなく、特定のベイトを模しているようにも見えません。
複雑なアクションを生むクビレやスリット、一見すると自発的アクションも起こしそうにありません。
そんな魅力薄い見た目が、イマイチ人気が出ない理由ではないでしょうか。

釣れている情報が少ない(国内で)

検索するとわかりますが、ネッドリグの釣果情報を伝えている日本のメディアが実に少ない。
私自身も使ってみてわかりましたが、おそらく数年前に少し流行りかけたときに期待以上の結果が出ず、フェードアウトしていったのではないでしょうか。

日本の業界が消極的

Z-Manのワームに使われている素材は「ElaZtech」と呼ばれ、非常に耐久性があります。
Z-Manのホームページの記事で、ElaZtechワーム1個で何匹釣れるか挑戦していましたが、なんと255匹釣ってもまだ使えるそうです。
ワームの耐久性があることが、ビジネスとしては微妙な部分もあります。

琵琶湖のオカッパリでネッドリグを全力でやってみた

秋冬の奥琵琶湖で3ヶ月程度、がっつり取り組んで見えてきたことをまとめてみます。

「普通のジグヘッドと何が違うのか」問題

ネッドリグは1/16oz~1/8oz(1.8g~3.5g)程度のジグヘッドを使うとされているのですが、実際に取り組んでみると、「ミドストやボトストなどと何が違うのか」という壁にぶち当たります。
この問題については今でも明確な解はなく、とりあえず「マッシュルームヘッド+棒状のワーム」という、「いかにもネッドリグ」的なものから逸脱しない製品を使うというところでやりこんでみました。
自分の場合、ジグヘッドといえばほとんど1/32oz(0.9g)以下の物しか使ってきませんでしたので、2g前後のジグヘッドとなると、かなり重い部類になります。

とりあえず見えバスで釣れる感触を掴む

可能性を感じていたとはいえ、自分もいまいちネッドリグで釣れるイメージが湧かず、とりあえず見えバスがワラワラいるポイントで反応を確認してみました。
自分がワームを信じてあげられないというのが大きいと思うのですが、Finesse TRDやロボNedwormなんかは甘噛みがほとんどで、唯一パドルテールを備えたMissile BaitsのNedbombだけがガンガン釣れました。
それでも様々なアクションを試していると、「とりあえず口にする」、「興味を示す」などの反応が得られたので「釣れなくはなさそう」という感触は掴めました。

Missile Baits Nedbomb パドルテールはよく釣れる

ジグヘッドの自作

最初に使っていたのはZ-Manのジグヘッドだったのですが、自分のイメージではフックが大きく感じました。

・ショートシャンクにした方が、ワームの柔軟性を生かせるのではないか。
・ゲイプ幅を狭くしないと、奥琵琶湖では根掛かり地獄。
・そもそもマッシュルームヘッドは日本ではあまり売っていない。

以上のことから、ジグヘッドの自作に踏み切りました。
たまたま海フライに使っていた、がまかつのJIG29が収まりがよくイメージ通りの物ができました。
Finesse TRD用という事だと、今のところ、1.8gと2.2g、フックはJIG29の#2が最高だと思ってます。

いざ奥琵琶湖へ

ネッドリグで釣る = Finesse TRDで釣る」という目標を掲げ、自作ジグヘッド+Finesse TRD縛りで奥琵琶湖に乗り込みました。
幸運にも最初の一匹があっさり釣れ、様々なアクションを検証ることができました。
最終的には55cmをキャッチするに至り、年末までに数えきれないほど釣れました。

見えてきたこと

3ヶ月ほど没頭し、現時点で見えてきたことをまとめます。

タックルとリグ

前述の2g前後のジグヘッドを前提とすると、スピニングタックルになります。 

ロッド

一般的な軽量ジグヘッドを使う竿であれば、とりあえず使えると思います。
底に触る場合は、ティップに張りがある方が岩やウィードを切ってこれると思います。
底質にもよりますが、だるんだるんでは厳しいと思います。

リール

ハイギア(巻取り長80cm以上)が良いと思います。
リトリーブスピードを丁寧に刻むようなことはあまりしないので、ハイギアのメリットが生かしやすいと言えます。

ライン

奥琵琶湖のロックエリアがメインでしたが、フロロの5lbがベストです。
慣れないうちは根掛かり地獄ですが、リーダー結びなおすのが面倒でなければPEもアリだと思います。

ジグヘッド

私の知る限り、日本ではreinsしかネッドリグ用ジグヘッドを発売していませんが、フックがデカく、ヘッド形状がイマイチでした。
前述したとおり、自作したのですが、下記の点を重視しました。

  • 2g前後の重量
  • Finesse TRDとツライチになる幅
  • 丸っこい頭よりはフラットな頭
  • ヘッドカラーを工夫

る程度の重さがないと魂が宿らないリグであると思います。
詳細はもう少し傾向が見えてきたら記事にしたいと思います。

ワーム

Finesse TRD、ロボNedworm、Ned Ochoを中心に使いましたが、やはり本家Finesse TRDが圧倒的でした。
Finesse TRDは高浮力素材ですので、放置するとボトムで必ず立ちます。この浮力こそがキモだと思うのですが、他社製品は浮力が不十分なものがありません。
あとは柔軟性と太さのバランスが絶妙と、使い込むほどに感じます。
自分は釣れたことはありませんが、日本製のNIKKOワームの ZAZA スーパーNEDというのも似たような性質があるので期待できます。

FinesseTRD、乾いた石ころが吸い付く不思議な素材

テクニック

アクションは、冒頭の図をベースに試行錯誤しましたが、だいたいどれでも釣れます。

ただ巻き

ポイントに到着し最初に試すのが「ただ巻き」になります。これで釣れれば、こんなに楽なことはないので(笑)。
2gのジグヘッドでこのワームですので、ただ巻きで泳層をキープしようとするとかなり早くリトリーブすることになります。
それでも11月の前半ぐらいまでは結構釣れました。
一見、何の魅力もないアクションですが、水面をサーっと引いてみると、複雑な引き波が発生しているのが確認できます。

リフト&フォール

上図の「SWIM & GLIDE」となってるやつのイメージです。
上死点で食ってくるのが圧倒的に多いです。
上昇から下降に転じる瞬間に、ワームが「プルン!」と曲がるのが良いのかもしれません。

ボトムバンプ

上図の「HOP & BOUNCE」となってるやつのイメージが近いですが、ざっくり2通りのアクションで釣れています。
ひとつは、ボトム垂直立ちの状態から、できるだけ少ない移動距離で、できるだけワームを曲げるように「サッ!」と瞬間移動させ、それを連続的に行います。
これはバスも釣れますが、ニゴイ率がかなり上がります(笑)。
もうひとつは、いわゆる「ボトスト」になります。
ボトムの岩肌を食む鮎のようなイメージで、トレースしてきます。
11月後半以降も、この2つの釣り方が安定的に釣れています。   

ニゴイもよく釣れます
ニゴイもよく釣れます

放置

実は一番期待していたのが「放置」なのですが、今のところ釣れていません。
ロックエリアがメインだと、どうしても根掛かり率が上がってしまって釣りになりません。
とはいえ、アメリカでも放置メソッドを解説している動画が多いので、今後やりこんでみます。

複合技

上記のアクションの複合も効果的です。
最も印象的なのは、ただ巻きから底の岩やブレークラインなどに「こんっ!」って当たった瞬間に食ってくるパターンです。これは釣れると気持ちいいヤツです。

ワームのカラー

Finesse TRDのカラーは大きく2パターンあり、ツートーンカラーと、それ以外のものがあります。
ベイトフィッシュを意識するときはツートーンカラーでロールさせ、明滅をしっかり効かせるなど、明確に使い分けていった方が結果が付いてきます。   
また、新月の闇夜で、バブルガムピンクだけが釣れ続けるという事がありました。

ネッドリグのメリット・デメリット

不思議と飲まれることが少ない

ネッドリグのメリット、デメリットをまとめてみます。

メリット

汎用性が高い

癖がないシンプルなシルエットと適度な柔軟性で、水面直下からボトムまでカバーでき、あらゆるルアーの代わりができます。

操る楽しみ

癖がない故に、釣り人意思を持ってアクションを加えてやる必要がありますが、ツボにハマると答えてくれます。
前述した「ちゃんと使えば釣れる」の真意はここにあります。

飛距離が出る

余計なものがなく、空気抵抗が少ないうえに、少し重めのジグヘッドですので、同サイズの他のワームに比べ飛距離が出ます。

風に強い

飛距離もそうですが、2g程度のジグヘッドであれば、よほどの風が吹いていても釣りが成立します。
特に1/32oz(0.9g)あたりを使い慣れている人にとっては、強風下の2gは余裕です。

ワームが長持ちする

Z-Manの「ElaZtech」素材限定ですが、冒頭に触れたとおり、ワームが長持ちします。
ラインが切れない限り、無限に使える気さえします。ジグヘッドがダメになり、ワームを新しいヘッドに刺しなおしてもそこそこいけます。
浮力が落ちたら、ワームを揉んでやり、少し塩を出すと浮力が復活します。

ElaZteck
ElaZtechの伸び
先行者優位

現時点ではあまり使われていないので、魚が「ネッドリグ擦れ」していないと思います。

デメリット

根掛かりしやすい

奥琵琶湖のロックエリアは、場所によっては速攻で根掛かります。ある程度早めのボトストにすれば回避できますが、石の大きさや高さによって、アクションが制約を受けますので、このあたりは慣れと経験が必要です。

キャスト時に回転しやすい

太短いシルエットが災いし、投げ方によってはワームがプロペラのように回転し、飛距離が出ないことがあります。
小さいストロークで手首だけで「ぴゅんっ!」と投げるとこのようになりやすいので、しっかり乗せて投げるようにしてください。

魚のサイズを選べない
ネッドリグ
チビも釣れてしまいます

今のところ、魚のサイズを選べない印象です。チビもデカも釣れます。
このあたりは今後の課題です。

ワームが入手困難

Finesse TRDがなかなか売っていないという、致命的な問題があります。
自分はお気に入りカラーは、見かけたら買うようにしています。

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最後に

いかがでしょうか。
ネッドリグで釣れそうなイメージは持てましたでしょうか。
シンプルなワーム故にアクションの工夫など釣人側にゆだねられている部分が大きく、
釣り人を育てるリグ」であると感じています。
気になる人は、ぜひとも挑戦してみてください。

コメント

  1. ろろくん より:

    ゲーリーからネットリグが販売されると聞いたので調べてここにたどり着きました。既製品の日本のジグヘッドでは性能は生かしきれない感じなのでしょうね。ジグヘッドまで作るとはすごいです。

    • kuchikarasuni kuchikarasuni より:

      コメントありがとうございます。
      NED SENKO、ゲーリーにしては珍しく、フローティング素材をちゃんと使ってますね。
      各社試しましたが、今のところやはりZ-MANが圧倒的に釣れますね。
      でもZ-MANのフックはニゴイ何匹か釣ったら折れてしまったので、やはりフックは日本製が信頼できます。