ワームのカラーセレクトの基本的な考え方【バス釣り】

ワームカラー バスフィッシング

ルアーフィッシングやフライフィッシングなど疑似餌の釣りは、プラスチックや金属、木片など本来は生物でないものを使ってエサや外敵を模し、魚の五感を騙す遊びです。
五感の中でも視覚が最も重要で、釣果に与える影響も大きくなります。
ルアー(ワーム)における視覚とは、シルエット(形状)カラー質感といった要素がありますが、今回は「カラー」について掘り下げます。
ルアーの中でも、比較的早く動かし、振動などでアピールするファーストムービングルアーより、じっくり見せて釣る使い方が多くなるワームの方が、カラーへの依存度が高く、カラーによる釣果の差が出やすい印象を受けます。
この記事では、ワームにおけるカラーセレクトの基本的な考え方を解説しますが、他ジャンルの疑似餌にも参考になるかと思います。

カラーセレクトの基本的な考え方

前提条件(私のポリシー)

ワームのカラーセレクトについての私見を述べる前に、バス釣りに対する私のスタンスについて少し触れておきます。
バスがルアーを口にする条件として、捕食威嚇防御などがあると思いますが、私は捕食トリガーの魚のみをゲームの対象としております。
したがってカラー選択の基準としては、常にエサっぽいか」を重要視しており、この記事はそのポリシーに基づいています。
バスのテリトリーに、ど派手カラーをぶち込んで威嚇を誘発することは考えてもいませんし、ましてやスポーニングのネストにルアーをぶち込むこともありません。
もちろんこれらの釣りスタイルを否定するものではありませんが、産卵期にわざわざオカッパリの射程圏内に侵入してくる、ネスト狙いに夢中なバスボートには嫌悪感しかありません。

釣り人のメンタルへのカラーの影響

疑似餌の釣りは、釣り人がどれだけ疑似餌を信じる事ができるかが釣果を左右します。
シビアな状況になればなるほど、モチベーションを維持し集中し続けるために、ルアーを信頼することはより重要になります。
ルアーやワームの選択は、釣り人の主観で「おそらく、魚はこう見えてるであろう」という妄想に基づいて行われます。
しかしながら、妄想でチョイスしたカラーか正解かどうかを、まったくの同条件で正確に検証することはできません
試行錯誤の中から平均以上の結果を出し、その実績を積み上げていくことで妄想の精度が上がり、「自分なりの選択基準」ができていきます。
自信をもってカラー選択ができていないと、迷いからくるメンタルへの悪影響がキャストやアクションなどへ波及し、負のスパイラルに陥ることがあります。
逆に、自分の意思で選択したカラーでよい結果が出ると、より自信が深まり、カラーで悩むことも減っていきます。
カラーで悩まなくなれば、脳のリソースを他の戦略に使うことができ、ゲームを有利に展開できます。

魚の視覚

諸説ありますが、魚は人間と同等の色覚(視力は別)に加えて紫外線を見ることができるという説が有力で、私もその前提で考えています。
紫外線については、人間には見えない以上、私は重要視していません。「見える」事と「食べたい」事は別のお話ですので。
人間の目と決定的に異なる部分は、光の量の調整が苦手という事でしょうか。
この件については別の記事にしようと思います。

明るさと水質で決めるのが基本

ワームのカラー選択の基準

上図は、現時点での私の脳内を整理したものです。
ごらんの通り、基本的には明るさ(光の量)水質で考えています。
実際には他のカラーも沢山使いますし、上図のカラーの中でも重なる部分もありますが、図が煩雑にならないように簡潔に記述しています。
あくまでも基本ですので、これをベースに状況によって補正していきます。

各カラーの解説

スモーク系

スモークは最もアピールの弱い色として考えています。
クセがなく、背景や水の色に馴染みやすいので、最もナチュラルなカラーであると言えます。

ウォーターメロン

ウォーターメロンは日中は最も頼りになる

ウィードエリアや植物性プランクトンに馴染みやすいカラーと言えますが、どクリア水質に頼りになるカラーです。昼間は、迷ったらこれです。

グリーンパンプキン

グリーンパンプキンで釣れた65cm

いわゆるグリパンです。昼間のクリア水質では最も信頼しているカラーです。
私のレコードである65cmも、グリパンでの釣果になります。

クリアレッド

レッドとスモークのツートーンカラー。雨の昼間の水面直下で釣れた

晴れた日中に、水深のあるところでの結果が多い印象です。
後述しますが、ディープでは赤はほとんどスモークのようになってしまいます。

プロブルー

ナチュラルプロブルー。深夜に街灯があるポイントで釣れたやつ

プロブルーについては、ナチュラルプロブルーと普通(?)の青っぽいプロブルーを分けて考えています。
ナチュラルプロブルーは朝夕マズメや曇天時に、比較的上のレンジで使用します。
普通のプロブルーは、夜によく釣れる印象です。

スカッパノン

早朝のクリア水質でのスカッパノンにて

濁りが強い状況では、昼夜問わずよく釣れる印象です。
マッディのなかでシルエットがしっかり出るのに、派手でない感じが良いのかもしれません。
クリア水質でも、ローライト時や深いところで使います。

パープル

月夜の水面直下のパープルで釣れたやつ

パープルは夜の表層付近でよく釣れる印象です。
月の明るい夜に、プロブルーやパール系ではダメで、パープルだけが釣れるという体験を何度もしています。

ライトがいらないほどの満月の夜、パープルのグラブただ巻き

チャート系

前述したとおり、基本的には捕食に訴えていますので、クリアなポイントが多い自分には出番が少ないカラーです。
荒れて濁り始めたとき、黄色寄りのチャートは水に馴染み、このような状況で何度かハマったことがあります。

ブラック

夜のクリア水質、ブラック+青ラメのグラブで

ソリッドブラックもたまに使いますが、どちらかというラメ入りの黒でいい思いをすることが多いです。
基本的には、夜しか使いません

ピンク

ネッドリグ
雨と霧の深夜、この日はバブルガムピンクしか釣れなかった

実は数年前まで苦手な(というか興味がなかった)色で、最近になって結果が出るようになったのがこのピンクです。
クリアピンクは日中のディープで、バブルガムピンクは霧の夜でハマった経験があります。

クリアピンク。晴天昼間の湖北の超ディープで釣れました
ピンクはネコリグが強いのか?

カラーと合わせて考える事

水中での光の性質

水中では、赤い光から減衰していくことはよく知られています。
まったくの純水で図のような深さで減衰していきます。

水中での光の減衰。ディープは青一色の世界。

実際の釣り場では、水の透明度や水の色によって変わってきますので補正が必要です。
単純に水深で記述していますが、光源とルアーと魚の位置関係にも注意が必要です。
例えば赤は、浅いところでは赤っぽく見えますが、魚が遠くから見た場合は黒っぽく見え、近づくにつれて赤に変わっていくことになります。

画像編集ソフトで、R(赤)、G(緑)のトーンを下げてみました。

太陽光で撮影(補正前)
補正後。ほぼ色の識別はできないが、ピンクが…

同一カラーの差

白って200色あんねん」とは某TV番組でのアンミカさんの名言ですが、ワームのカラーも同様です。
たとえば同じグリパン表記でも、こげ茶のものもあれば、黄土色に近いものもあります。
塩が入っているものは明るい色調になりがちです。
また、メーカーや開発者の考え方やホームグランドによっても差が出てくる印象です。

グリーンパンプキン
同じグリーンパンプキン表記でもいろいろ

透明感

ワームの透け感(透明感)も、見え方に影響を与えます。
透けている方が、背景(底質など)にも馴染み、アピールが弱くなります。

表面の質感

ワームの表面の質感、主に光沢の有無やリブの細かさなどで、色の見え方が変わってきます。
透明感がありナチュラルなカラーに見えても、成型時の仕上げが甘く、バリや気泡などで乱反射して、結果としてアピールが強くなってしまうこともあります。

水や背景の色

ポイントの水の色や、底質などの背景の色を意識し、それに近いカラーにして馴染ませたり、逆のカラーで引き立てたりします。
また、水面直下~中層を狙う場合は、空や樹木の色が背景になりますので、それを意識します。

ラメ、ペッパー、ツートーンカラーなど

ベースのカラーに対して、アピールの増減生命感を追加するために、ラメやペッパー(黒点)などの追加を検討します。
小魚系のエサを演出する場合は、ツートーンカラーを多用しますが、基本的には腹側(下側)がパールホワイト系の物を選択します。

魚の状態

魚が確実にいるが食い気がイマイチの時など、マッディや夜であってもあえてナチュラル系カラーを使ったりします。
逆に、魚が少ないけど食い気がありそうな時は、遠くからアピールできそうなカラーを選択することもあります。

このあたりの考え方は、追ってまた別の記事を追加します。

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