自分が真冬の奥琵琶湖でオカッパリに取り組むようになって20年以上経ちますが、SNSなどの影響もあり、近年は空前の賑わいとなっている印象です。
つい10年ほど前は1日ランガンしてもバサーに遭遇しないことがほとんどでしたが、、、。
そんな中でも結果を出している人は、情報に振り回されることなく自身の読みと戦略でポイントを絞り込んでいます。
とはいえ、 私もそうでしたが、ビギナーの頃は一戦略がまったく立たず、途方に暮れてしまいます。
そんな私でも週末アングラーなりに20年以上続けてきた中で、冬に結果が出やすいポイントの特徴が見えてきましたので、この記事ではその特徴をまとめてみます。
なお、一般的に言われる「北に山を背負い南に開けたワンド」や「湧水エリア」「カイツブリを探す」など、当たり前の部分は割愛します。
自分で考えることの意味
達成感を最大限にする
動画サイトやSNSでポイントが晒されると、週末に人が殺到していることがよくあります。
しかし実際には、簡単に釣れる時期ではありません。
寒い中で集中を続けるには、自分なりの根拠や理論がないと、なかなか自信をもって続けることができません。
自信のなさは迷いにつながり、ルアーのアクションに反映され、寒さから実釣時間は減り、さらに一匹が遠くなるスパイラルに陥ります。
自分で考え仮説を立て、考えられることはすべて行い、自信をもって取り組むことにより飛躍的に上達します。
そして自分で考えて獲った一匹こそ、最高の達成感が得られるのは言うまでもありません。
エリアの絞り込み
近年は、毎年のように夏~秋に豪雨に見舞われ、奥琵琶湖においても地形がコロコロ変わってしまいます。
秋頃から地形をリサーチし、下記のようなことを確認しながらポイントに目星をつけていきます。
実際に冬の週末になるとわかりますが、近年はめぼしいポイントは先行者がいることが多いです。
そこで自分なりのポイントを開拓するにあたり、下記の条件で絞り込んでみてください。
複数の条件が合致する場所は、時間をかける価値があります。
岬まわり(水中岬含む)
一般的に、冬は水が動きにくい風裏ワンドなどのポイントが水温が安定し有利とされていますが、逆に言えば冬のメリットが生かしにくいと言えます。
冬でも水が動く岬まわりは、チビには過酷でデカバスを狙いやすいと言えます。
大規模な岬もそうですが、湖沼図に表現されないような小規模な岬もチャンスがあります。
岬によって湖流がどのような影響を受けているかを3次元的にイメージしながら、あらゆる角度から攻略してみましょう。
ディープ隣接シャロー
風のない日中に観察するとよくわかるのですが、奥琵琶湖ではほとんどのシャローで、真冬でもベイトとなりえる小魚の存在を確認できます。(主に、ワカサギ、ハス、ゴリ系、鯉やニゴイの子など)
普段は安全なディープで休息し、タイミングでシャローで捕食する個体は少なからずいます。
後述しますが、奥琵琶湖はほとんどのエリアがシャローとディープが最短で移動でき、ほどんどの場所がこの条件になります。
当然ながら、他の条件が絡むとより良いエリアになります。
そして自分の場合、特大のほとんどは、誰もが素通りするようなシャローで出ています。
湖岸に大樹がある
湖岸にそれなりの樹齢の樹木(または切り株など)がある場合は、良いエリアの可能性があります。
冬であっても、ユスリカや小型のカゲロウなどの水生昆虫は水面羽化します。そして付近の樹木などの風裏で交尾をし、産卵のためにまた水辺に戻ってきます。
そしてこの水棲昆虫を狙って、ハス子やワカサギなどのベイトフィッシュが寄ってきます。
大樹があるエリアというのは、この生態系が、少なくとも数十年というレベルで安定して保全されている可能性が高いと言えます。
一見、湖岸にめぼしい地形がなくても、よく釣れるエリアというのは実際にあります。
そして残念ながら、木を切ってしまって釣れなくなった場所も沢山あります。
コウモリは夜の鳥山
ナイターをされる方にはおなじみですが、コウモリもまた水棲昆虫を捕食しに来ています。
コウモリは一例であり、大切なのは、バスの直接的なベイトだけでなく、生態系全体を意識すると見えてくることがあります。
山を見て釣れ
20年ほど前に読んだ雑誌の受け売りですが、「湖北は山を見て釣れ」というのがあります。
背後の山が峰なら、その延長線上には水中岬があることが多いでしょう。湖岸に道路があり寸断されているのでわかりにくいですが、道路を作るために岬を削ったような地形はあちこちにあります。
背後の山が谷なら、その真正面の水中には扇状地があり、湖底の湧水が期待できます。
たとえブロックなどで護岸されていても、ブロックに太めの水抜きの管が通してある場所は、他より少し時間をかけるなど、メリハリをつけることができます。
オアシス
延々と短調な砂利浜が続く場所があります。そんな場所にポツンとある岩、切り株、流木、ウィードなどは魅力的です。
個人的には、延々と複雑な岩場が続く場所より、わかりやすくて好きな場所です。
ここで一日に一回あるかないかの回遊を待ち粘るもよし、このような場所を短時間で何か所も回るもいいと思います。
先行者の痕跡
積雪があるとわかりやすいですが、足跡の状態で先行者の有無、注視すればどのくらい時間がたっているかもある程度分かります。
濡れた足跡があれば、先行者がウェーディングしていたかもわかりますし、足跡の乾き具合で経過時間を推察します。
オオバンなどの水鳥は、基本的には水際に居たい鳥ですが、こいつらが沖に出ていれば直前まで先行者がいた可能性があります。
後述しますが、初心者の先行者は厄介です。
どう攻めるか
まずは下図を見てください。奥琵琶湖の代表的な地形です。
ざっくりとこんな感じでイメージしています。
アルファベットが若いほど食い気がある(=釣りやすい)のではないかと考えています。
浅い場所ほど幸せが
スポーニング時期以降~11月いっぱいぐらいまでは、やる気がないバスもAに居ますが、冬では捕食以外の目的でハイリスクなAに来ることはまずありません。
つまり浅いところに来る奴ほど簡単に食ってきます。そしてデカいやつほど浅いところに来ます。
Aの魚を捕ることが理想であり、まず目指すべきです。
入水は最後の手段
近年は人が増えたこともあり、また動画サイトの影響なのか、着いて1投もせずAにズカズカ入水(ウェーディング)してく人がホントに多いです。
Aにやる気がある大型が多いことは述べましたが、人の気配が伝わりやすいのもまたAであり、経験を積んだ賢い個体が生き延びデカくなっているのであって、そんな手練れを騙そうとしてるわけですから、できる事はすべてしましょう。
無風べた凪の琵琶湖に入水してみてください。じっとしているつもりでも、かなり沖まで自分の波紋が及んでいるのが確認できます。
以上のことを考えると、入水だけでなく、歩き方や湖岸でのふるまいも変わってきます。自分はここぞという場所では、夜であっても匍匐(ほふく)前進に近いです。
そしてAの魚を何度となく獲っています。
防寒具としてウェーダーを履きますが、入水はやむをえない場合のみです。
風から逃げない
風裏はメリットが多いのは間違いないですが、特大を狙うのなら当てはまりません。
風は釣り人やラインの気配を、いくらか軽減できます。
風で水棲昆虫やベイトが岸に寄せられることはよく言われますが、これは冬でも当てはまります。
向かい風でルアーの飛距離が全然でなくても、目の前のBぐらいで釣れることはほんとに多いです。
吹き始めが特に良い気がしています。
昼はディープ?
ナイターのみで、昼の釣りをしない人はほんとに多いです。
自分のレコードの魚は、節分の14時頃にDで釣れました。14時~日没直前が最も水温が上がる時間帯であり、釣れる時間帯であることは一般的な冬の戦略ですが、これは琵琶湖にも当てはまります。
また、光が多い日中は、ディープの魚の方が騙しやすい印象です。
そして、どこへ行ってもシャローが先行者に荒らされまくっているのであれば、ディープを狙わざるをえません。
水中では赤系の光が届きにくくなることはよく知られていますが、よほど間違ったカラーを使っても、ディープでは同じような色調に見えていることが想像されます。
つまりカラーそのものは重要でなく、シルエット、アクション、透け感、表面の光沢具合、パールやラメの有無なんかで選ぶとよいと思います。
信じられるルアー
冬はアタリがバンバンあることは稀で、ほとんどが1日に1回あるかないかのアタリを獲りに行く世界です。寒い中で無の状態で長時間粘るのですから、自信があるルアーへの依存度が必然的に高くなります。
別の記事で述べましたが、経験の少ない人は秋までにルアーの引き出しを増やしておくことが重要となります。
「これで食わなければここには居ない」レベルで信じれるルアーがあれば、精神的に有利にゲームを展開できます。
最後に
冬の琵琶湖で釣りを続けるのは、非常にギャンブル性が高く、無策で続けられるものではありません。
それでも一匹を釣ってしまうと、ほぼ確実にはまってしまう魔力があります。
SNSなどの情報を追いかけるのも、「とりあえず釣る」という経験を積む意味では悪くないですが、この釣りの楽しみの多くを放棄してしまっているようで勿体なく感じます。
魚が減ったと言われて久しい奥琵琶湖ですが、それでもまだまだレコード級のチャンスはあると思います。釣れてる人とボウズの人の差は、実は僅差で、ちょっとした事の積み重ね、0.1%でも確率を上げるための行動を重ねることができるかどうかだと思います。
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