【バス釣り】光の量(明暗)によってルアー・ワームをどう見ているのか

琵琶湖、竹生島、 バスフィッシング

琵琶湖に通い続けて25年以上、デイゲームもナイターもやりますが、釣れ易さでいうとナイターの方に分がある印象です。しかしながら私の場合は、ロクマルはほとんど昼間に釣れており、一体いつ寝たらいいんだと悩ましくなります。

季節や場所にもよりますが、夜通し釣りをしていて完全に日が昇ったときの「終わった感」は明らかにあり、仮眠や休憩のタイミングにしています。
この時間帯のバスたちはどのような、状態なのか。
今回の記事は、そのあたりを掘り下げてみます。

ブラックバスの視覚

そもそも「見る」とは

多くの脊椎動物において「見る」という状態は、眼球に入った光の色を感知する錐体(コーン)細胞と、光のコントラスト(明暗)を感知する桿体(ロッド)細胞が、それぞれ受容した情報を電気信号に変換し脳で映像化される状態となります。
ブラックバスについても、このメカニズムは基本的には変わらないとされています。

明暗の切り替えが苦手

バスと人間の決定的な違いは、瞳孔まぶたなどの光の量を調節する構造がないことです。
光の量を物理的に調整できないかわりに、体細胞と桿体細胞の感度を切り替えることで、明暗それぞれの視覚を確保しています。
明るいとき錐体細胞を優位にし桿体細胞の感度を落とします。
色を感知する錐体細胞が優位となるため、色を明確に識別できます
逆に、暗いときは、少ない光を感じることができる桿体細胞を優位となるよう切り替えます。
このモードの時は、色の識別ができず、モノクロで見えていると言われています。
ブラックバスや多くの魚類は、この「切り替え」に数時間かかることがわかっています。
人間であれば、昼間にトンネルに入ったとき、出たときなど、一瞬は視界が飛びますが、瞳孔やまぶたを駆使しで、わずか数秒で視覚を切り替えることができます。
しかしバスは、「暗→明」に瞬時に変わると、あのトンネルを出たときのようなまぶしい状態が一定時間続くと予想されます。
逆の「明→暗」の場合も、しばらくは見えづらい状態になるでしょう。
しかしながら、自然界ではトンネルのような極端な変化はほぼなく、昼夜、天候変化などにより、徐々に光の量が変化することがほとんどです。
とはいえ、太陽が出たり隠れたりするタイミングの直後は、目の切り替えが追い付かないことは考えられます。

夜でも見えているが…

ある論文によると、夜になると桿体細胞でしか見えていないため、カラーの判別がほぼできておらず、ほぼモノクロで見えているとされています。
新月の夜で街灯がないポイントでもよく釣れることがら、夜でもちゃんと見えているはずです。

どう見えているか(想像)

一眼レフカメラのマニュアルモードと画像編集ソフトを駆使して、バスの見え方を妄想してみます。

明るいとき(晴天昼間など)

晴天昼間などの明るい場所では、日向と日影のコントラストが強くなります。
画面左から日光が当たっており、左側に石を置いて影を作っています。
同じ時間、同じ明るさで、日なた側を適正露出にした画像と、日影側を適正露出になるよう測光して撮影した画像を比較してみます。
適正露出」とは「正しく見えている」状態、つまり「目が慣れている状態」ということになります。

ワームの見え方(晴れ)
【画像A】明るいところ(右側のワーム)に目が慣れている状態

明るい場所(画像Aの右側)に目が慣れている状態では、影の部分は黒ずんでしまい、グリパンやウォーターメロンなどは判別しづらくなっています。

ワームの見え方(晴れ)
【画像B】影の部分(左側のワーム)に目が慣れている状態

一方、影の部分(画像左側)に目が慣れている状態では、日なたの右側のワームは白飛びしてしまい見づらい状態になってしまいます。

どちらの画像も、光の量が変わっているわけではなく、どの明るさに目が慣れているかだけが違う状態です。人間でいうところの、トンネルに入ったり出たりした瞬間と同じ状態が、長い時間続くことが予想されます。

ローライト(朝夕まずめ、曇天)

上の画像A,Bと同じ時間帯で、太陽が雲に隠れた瞬間の画像が下になります。

ワームの見え方(ローライト)
【画僧C】曇りの状態

悪天、朝夕まずめなどが該当しますが、晴天時ほどの明暗差がありません
魚としては見やすい状態と言えますが、逆に言うと「間違い」が起こり難いとも言えます。

夜(ナイター)

夜の見え方を画像編集ソフトで再現してみました。

ワームの見え方(夜)
【画像D】夜の見え方。ピンクが…

別の記事で書きましたが、夜はパール系やピンク系が目立つようです。
こんな画像を見たら、夜にグリパンとか使う気になれません(笑)

脳内補正の可能性

最近のスマホカメラやデジカメに付いている「HDR」という機能をご存じでしょうか。
「ハイ・ダイナミック・レンジ」の略なのですが、明暗のレンジが広い、例えば最初のA、Bのような画像で、明るい部分と暗い部分を合成し、人間の見た目に近い状態にの画像を生成します。

つまり、目そのものははAまたはBのように感じているのですが、脳内で補正し、下のような、白飛びも黒つぶれもしていない認識しやすい画像を脳内で再現しているのです。

【画像E】画像Aの暗部のみを明るく補正した状態

魚においても上記のような「脳内補正」をしているかは不明ですが、ある程度はしているのではないかと考えています。

まとめ

  • 明るいときは色を識別できるが、暗いときはモノクロで見えている。
  • 明、暗のモード切替には数時間かかる。

上記の内容を、どのように戦略に反映させるかは難しいですが、
見やすい場所に、おいしそうなカラーを送り込む
見にくいところで、魚の「間違い」を誘発する
など、色々と考えられると思います。

朝まずめ、夕まずめは良い時間帯と言われていますが、私が主戦場としているクリア水質シャローにおいては、日の出後、日没後は沈黙することが多い印象です。
暗くなり始めた、または、明るくなり始めた頃合いはそうでもありませんが、完全に太陽が昇った直後、真っ暗になった直後は、前述の「切り替え」の最中であり、よほど魅力的なエサでもない限り、積極的に捕食しなくなってしまうのではないかと考えています。

以上のことから、私はこのタイミングで仮眠や休憩を取るようにしています。

そうでもしないと仮眠もできませんので(笑)

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