【スッキリ解説】ドライフライの種類・パターンの最低限の知識【初心者向け】

フライフィッシング

「ドライフライの種類は、なんかややこしい」
私がフライを始めたときの率直な感想です。
当時は書籍が主な情報源でしたが、本によって微妙に説明が異なり、読めば読むほど混乱したのを覚えています。
なぜ、そんなことになってしまったのか?
今振り返ると、書籍の筆者によりフライの説明の「分類の軸」が異なっていたためでした。
そのあたりを踏まえ、一般的なドライフライに的を絞って、最低限のパターン分類をまとめてみました。
ドライフライを始めたばかり、もしくはこれから始めたい人は、書籍やネットで勉強する際の参考にしてみてください。

フライの分類について説明する人や場合によって変わる

フライ(毛鉤)とりわけドライフライには、膨大なパターン数があり、すべてのパターンは特定のジャンルに分類されます。
しかし、分類の軸」が複数あるので、1つのフライパターンが、複数の分類に属することになります。
これからフライパターンを勉強していく中で、ネットや本、または教えてくださるフライフィッシャーの先輩が、ある1つのフライパターンを説明するときに、どの様な位置づけで解説されるかは、必ずしも一致しないということです。
でも、それは誤りではなく(たぶん・・・)、その人がどの軸でジャンル分けしているかの違いです。
ですので、ざっくりとした分類とか系列の軸みたいなものは頭に入れておかないと、他人とのコミュニケーションが成立しづくなります。
この「分類とか系列の軸」について次項で解説します。

虫の種類や形態による分類

ドライフライは特定の虫を模倣しています。
少なくともフライパターンを考案した人は、特定の虫を模倣したつもりのはずです。
虫の種類や形態での分類は下記となります。

メイフライ系


メイフライ(カゲロウ)の種類を模したパターンです。
ドライフライに絞ると、さらに形態の分類として「ダン」、「スピナー」分けて考えているパターンがあります。

ダンからスピナーへ

ダン・・・水中から出て最初の羽化をした亜成虫。
スピナー・・ダンがさらに脱皮をした成虫。

書籍やWebなどさまざまな説明や既存パターンを見た印象では、
ボディーが水面に張り付く感じのがダン
「クリーム色っぽいのがダン
といった感じで、上記以外がスピナーもしくは、特に分けて考案されてないものになります。

カディス(セッジ)、ストーンフライ系

カディス、セッジ(トビケラ)、ストーンフライ(カワゲラ)はそれぞれ別の種類の虫ですが、フライとしては似たような二等辺三角形になります。
エルクヘアカディスがメジャーでよく釣れますが、ほとんどがエルクヘアカディスの派生や、応用したパターンになりがちです。

テレストリアル系

陸生昆虫全般。甲虫類、バッタ、クモなどの模倣をしたものです。

ミッジ系

小型の双翅目(ユスリカ、ブユなど)を模倣したものです。
自分としては#20サイズより小さいものはミッジとしています。

アント系

アント(蟻)はテレストリアルに分類されると思いますが、自分を含め多くの人は「アント」というジャンルに特別な思い入れがある印象ですので、あえて分離しました。

形状による分類

フライの形状によって分類されていることもあります。
主に下記のような分類になっていますが、これらがすべてではありません。

スタンダード、トラディショナル系

フライ発祥と言われるイギリスを中心とした欧州、またはアメリカに古くからあるパターン系
メイフライっぽい感じが多く、シャンクの前部分にハックルを縦に巻くパターンがほとんどです。
※形状の分類として正しいかは微妙ですが、形状が似通ったものが多いのでここに分類しました。

パラシュート系

ャンクに垂直にポストを立て、そこにハックルを水平に巻き付ける形状のものはすべてパラシュートになります。
ポストの効果により、必ずフックが下に着水することから「パラシュート」と呼ばれます。
視認性も良く、汎用性も高いです。

カディス系

エルクヘアカディスのような二等辺三角形の形状のパターンは数多く存在します。
カディスだけでなく、バッタなどの陸生昆虫のイミテートとしても使用する人は多いです。

スペント系

スタンダード系に似ていますが、ハックルティップ(先端)のウイングを水平に取り付けます。
このバリエーションは多くありますが、ほとんどがスピナーを模していることから、
スピナーパターン」とも呼ばれます。

コーチマン系

ロイヤルコーチマンに代表される、ピーコックハール(クジャクの羽)を使ったパターンです。
ボディーに孔雀を巻き、間に赤や黄色のフロスを巻いたもので、多くのバリエーションがあります。

考案者の名前が付いたパターン分類

フライの考案者がそままフライのパターン名になっているものは多くあります。
そのパターンから派生したものも多く、パターンがジャンルのようになっているものまであります。
その中で、日本でも有名なところは下記となります。

アダムス系

アダムスというスタンダード系のパターンがありますが、同様のマテリアルを使ったパラシュートや他ジャンルのパターンがあります。

ウルフ系

ホワイトウルフに代表される。、カーフテールのウイングを付けたもの全般を「ウルフ系」と呼びます。

ランズパティキュラ系

ランズパティキュラ」というパターンがスペントパターンの代表格であることから、スペントパターン全般を「ランパテ系」みたいに言う人は多いです。
ですので、「ランパテ系=スペント系」ということになります。

「1つのフライパターンが複数の分類に属する」の具体例

ロイヤルウルフ

ウルフ系であり、コーチマン系であり、スタンダード系である。

アダムスパラシュート

アダムス系のパラシュートであり、メイフライの模倣と言われている。

ブラックハンピー

テレストリアル系のスタンダード系である。

以上のように、ほとんどのフライが複数の分類系列に属しますので、混乱しないようにしましょう。

注意事項

すべてを網羅していません

これまでの分類解説は、できるだけ簡潔な解説を心がけており、ドライフライに限定したうえで、さらに主要なものに絞り込んでおり、すべてを網羅していません

フライパターンを勉強するもしないも自由

前述したとおり、フライパターンは昔からあるものだけでも膨大な数があります。
これらを覚えるも覚えないのも自由です。
ぶっちゃけ、パラシュートとカディスの数パターンがあれば、釣りは成立します。
とはいえ、今回の記事レベルの把握はしておいた方が、良いと思います。

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