渓流の釣りは、海や湖にくらべると、少しだけ特殊なルール、マナーがあります。
そこを知らずに釣りをすると、知らない間に周囲の人に迷惑をかけたり、気づかない間にトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
渓流のフライフィッシングをはじめて20年以上になりますが、今でも毎年のようにルール、マナーを違反している人を見かけます。
そこで今回は、渓流での釣りの基本的なルール、マナーをまとめてみました。
「真面目に釣りを楽しんでいるつもりなのに、いきなり怒られた」
なんてことにならないように、しっかり予習していきましょう。
漁協のルールは絶対
入漁証を買おう
ほとんどの河川には漁協があり、放流や環境整備などを行っており、入漁料はこれらの活動資金となります。
末永く釣りが楽しめるよう、入漁証は必ず購入しましょう。
自分が行きたいポイントを決めたら、まず管轄の漁協を確認してください。
漁協はホームページを持っていますので、「(河川名) 漁協」などでググれば必ず見つかります。
入漁証の販売場所(購入方法)や入漁料が掲載されていますので、事前チェックしていきましょう。
多くの場合、現地のコンビニや道の駅、宿泊施設などで発売されています。
漁協本部や個人宅での販売もありますが、深夜~早朝を避けるなど、配慮しましょう。
日釣り券(1日分)と、年券の設定がある漁協がほとんどです。
また、鮎とそれ以外の魚種(雑魚)で、料金が分かれている漁協も多いです。
イワナ、ヤマメ、アマゴなどは「雑魚」となります。
頻繁に行く漁協管轄は、年券の購入を検討しましょう。
年券の期間は、「購入日~シーズン最終日」がほとんどですが、「購入日~365日」としている漁協もあります。
ほとんどの漁協が、年券の料金を、日釣り5~6回分の料金に設定しています。
年券を買うことで毎回、日釣り券を調達するストレスから解放されます。
この投稿をInstagramで見る
漁協はサービス業ではない
漁協本部や個人宅で入漁証を買い求める場合、まれに「ぶっきらぼう」と思える対応をされる場合があります。
これに対し「なんだその言葉使いは!」みたいにキレてる、ザンネンな釣人を見たことがあります。
彼らはサービス業の訓練を受けているわけではありません。過剰なサービス品質を求めるのはやめ、敬意をもって接しましょう。
その人は、秘密のポイントを知っているかもしれません。
この投稿をInstagramで見る
現場徴収は2倍払い(が多い)
漁協の方々が、現場を見回りしていることがよくあります。
入漁証を購入せずに釣りをしていて、現場で徴収となった場合、ほとんどの漁協は、2倍の入漁料を設定しています。
漁協にはルールがある
漁協が定めている遊漁のルールがあります。
時期、禁止区間、禁止釣法、釣ってよい魚種、最低サイズ、キャッチ&リリース区間などを定めています。
あたりまえですが、漁協のルールはしっかり確認し、遵守しましょう。
密漁は犯罪
漁協のルールに則っていない遊漁行為は、犯罪になります。
当然ながら、入漁料の未払いもこれに含まれます。
密漁などを見かけた場合は、危険のない範囲で、写真などの証拠を収集し漁協へ通報しましょう。
(※ただし無理は禁物)
渓流では「釣り上がり」が基本
なぜ釣り上がるか
多くの場合、魚は上流に頭を向けて泳いでおり、ほとんどの漁法で背後(下流)から上流に向けて狙うのが有利とされています。
渓流では、フライマンもルアーマンも餌釣りも、下流から上流へ釣り上がるのが基本となります。
中流より下は釣り下がる
中流より下は、上流から下流に釣り下がる方がほとんどです。
しかし渓流ほど明確ではなく、下流に行くほど釣りのスタイルも多様化(鮎、鯉、テナガエビなど…)してきますので、結局は現場の状況で判断することになります。
先行者優先
ポイント「先行者優先」はすべての釣りの共通ルール
どの釣りでもそうですが、ポイントは先行者優先となります。
この投稿をInstagramで見る
「釣り上がりマージン」を考慮
渓流は「釣り上がりが基本」という話をしましたが、例えば、先行者がいるのに、無言で100m上流に入るなど言語道断です。
残り時間などを考慮し、確実に重複しないほど上流(または下流)に入るか、河川を替えましょう。
その他の注意事項
臨機応変に
「釣り上がりが基本」という話をしましたが、イブニングライズ狙いで、堰堤下などに早くから陣取り、移動しない釣り人もいます。
コミュニケーションをとり、「上流へ入ってよいですか?」など確認しましょう。
また、漁協ルールにも記載されていない「地元ルール」のようなものが存在することがあります。
最終的には現場の空気を読み、正しい判断をしましょう。
釣果写真のSNS上での扱い
近年は、SNSに釣果画像などをアップ際に、配慮が足りず炎上することがあります。
炎上する可能性のある写真は、下記のようなものがあります。
・ポイントばれ・・・写真を見ただけでポイントがばれてしまうような写真は、場荒れを誘発し結果的に自分の首を絞めます。
・食べる目的の魚・・・キープをし食べるのは良いですが、例えば15cm以下はリリースという漁協ルールがあるのに、明らかに小さい魚の写真を見かけることがあります。
無事に帰宅するのが最重要
滑落や落水、落石、雨による増水などの物理的な危険もそうですが、近年は熊、イノシシなどの
被害もよく耳にします。
また、現場で競合した他人が、必ずしも会話が成立する常識人とは限りません。
トラブルに巻き込まれる確率を0.1%でも下げるよう心掛けてください。
癒されに行ったはずなのに、不快な思いをするのは避けるべきです。
今回は以上となります。
楽しい渓流ライフを。
コメント