空前のキャンプブームが到来し、アウトドアをより楽しむために、車中泊仕様の車を検討されている方も増えてきているようですね。
特にここ2年ほどはコロナウイルスによる人流抑制の影響もあり、さらに拍車がかかっている印象です。
私がエブリイバンをちょい上げ(2インチリフトアップ)した車中泊仕様に乗り換えて2年半ほどたちました。
56,000kmほど走り感じたこと、改造のポイント、参考価格・費用などをまとめてみました。
導入を検討されている方々の参考になれば幸いです。
軽バン(エブリイ)をリフトアップした車中泊仕様に乗り換えたら釣りがさらに楽しくなった
私ががっつり釣りを始めてから、すでに四半世紀以上が経ちました。オフロード四駆、ステーションワゴン、スポーツカー(5ドア)など乗り継いできましたが、軽バンの車中泊仕様に乗り換えたことで、釣りの世界が一気に広がりました。
行くポイントや釣りのスタイルはこれまでと変わっていませんが、より効率的に、よりアグレッシブに、より快適に楽しめるようになりました。
高価なガチガチのキャンピングカーではなく、軽バンに最低限の手を入れた車中泊仕様で、これほど変わるとは思いませんでした。
この投稿をInstagramで見る
ベース車(エブリイ)と主な変更点
ベース車両
エブリイジョインターボ(DA17V) 5MT、4WD
※ジョインターボの5MTは生産終了となりました(2021年9月時点)
エブリイバンのなかでは最上位グレードですが、車両本体価格は普通車にくらべてかなり安いです。
ハイルーフとなっており、天井に着けるタイプのロッドホルダーであれば、ルーフ部分にロッド類はほぼ収まりますので、ロッドを積んでもヘッドクリアランスは十分に確保できます。
バンの下位グレードは、リアシートの背もたれが左右一体ですが、ジョインターボは中央で分離し左右独立で倒せ、センターに肘掛けもついています。
リアにエアコンの吹き出し口がないので、真夏のリア乗車は厳しいと思います。(温風はリアの足元から出ます)
4WDではありますが、ジムニー並みの走破性を期待してはいけません。2WDよりはマシ程度に考えましょう。
主な変更点
エブリィリフトアップの基本方針として、「4インチリフトアップ」か「2インチリフトアップ」かというのがありますが、自分は後者になります。
サスペンションのスペーサーで35mm、タイヤ径が半径15mmアップで合計50mm(2インチ)のリフトアップとなります。
サスペンション自体を交換するのがベターと思いますが、今のところスペーサーで不満を感じません。
内装などはほとんど手を入れておらず、ベットを組むようなこともしていません。
ガチガチの車中泊仕様というよりは必要最低限の変更ですので、本格的に内装に手を入れるようなことはせず、ノーマルのメリットを生かす方向で、低コストで達成できていると思います。
主な変更点は下記となります。
(すべてを記載しておりません。画像で気になるパーツがある場合は、問い合わせフォームより問い合わせください)
この投稿をInstagramで見る
車高35mmアップ
サスペンションのバネ部分に35mmスペーサーを噛ませることにより、まず35mmの車高アップをしております。
車高アップによりキャンバーがポジティブ(前から見て「逆ハの字」)になりますので、調整が必要です。
(プラスライン製)
タイヤ、ホイールのサイズアップ
タイヤの径、トレッド(幅)ともにサイズアップしております。
145/80R12 → 165/60R15(ホイールは15×5J+45)
この投稿をInstagramで見る
前後バンパー変更
前後バンパーを、短い(縦方向に)ものに変えており、腹回りが露出されることによって、実際の数値よりも高くリフトアップしたような印象になります。
実際、アプローチアングルも有利になります。
バンパーに関連し、フロントのフォグランプ(純正)追加、リアのランプ類(プラスライン製)を交換。
この投稿をInstagramで見る
ボディ補強
フロントストラットタワーバー、車内の補強バー2点、腹回りの補強バーを入れております。
当時の社用車がエブリィバンで、もともと剛性に不満があったため入れました。コーナリング性能などが格段に変わります。
当然ながら必要ないものです。私の好みの部分です(笑)
( https://www.spiegel.co.jp/)
運転席シート交換
純正のAT用のシートに交換しました。違いは、左側(センター側)に折りたたみ可能な肘掛けがあることです。
重心が上がりロール量が増えるからだと思いますが、疲労感がすごく、1時間連続運転で疲れてきます。
シート下にエンジンルームがある構造上の問題もあり、レカロなどに変えても根本的解決にならないと判断し、むしろ肘掛けでも付けた方がマシでは?と思い変えましたが、予想以上の効果でした。
シフトレバーやサイドブレーキレバーとの干渉もありません。(車検も問題ありませんでした)
この投稿をInstagramで見る
リアゲートにネットラック
リア部分の収納効率がイマイチだったのと、リア積載物の目隠し的な役割を兼ねて、あとから追加しました。スズキ純正のアクセサリーとなります。
ネット状のラックなので、ナイロンの同サイズのシートを敷いて、日光や視線の遮断をしております。当然ながら、ラック上に荷物も積めます。
ステーションワゴンなどのトノカバーと同様の役割となります。
寝具は最低限
リアにベッドを組むことも考えましたが、レイアウトの自由度が失われるのと、できるだけ低い位置で寝たかったので断念しました。
普通にリアシートを片方だけ畳んでフラットにし、安いエアマット+寝袋でじゅうぶん快適に寝ることができます。
できるだけシンプルにしたかったのでカーテン類も付けておらず、アイマスク+耳栓で、低コストで深い眠りにつくことができます。
ルーフ裏にロッドホルダー
スズキ純正のルーフバーを装着し、釣具屋で売っている洗濯ばさみ方式のロッドホルダーを付けております。
バス釣り用のワンピースの8フィート弱のロッドも、まっすぐ収納できます。
この投稿をInstagramで見る
参考価格
トータル価格は、車両本体、諸経費含め、ざっくり「260万円」程度でした。
(※カーナビ、ドラレコ、ETC設置なども含めた価格です。)
とはいえ、不要と思われる下記のものも含まれていますので、最低限であれば200万程度でもほぼ同等の仕様が実現できると思います。
- 剛性パーツ一式
- 社外マフラー
- 車内のイルミネーション類一式(前後足元、イグニッションキー部など)
- ヘッドライトをLED化
- 社外、車内の灯火類をLED化、ウインカーのステルス化
- レーダー探知機
- カーセキュリティー
ミドルクラスの国産セダンの車両価格と同等のコストで実現できます。
軽バンの車中泊仕様のメリット
睡眠の質が格段に違う
前車がスポーツカーでレカロシートを倒して仮眠していたこともあり、体を伸ばして睡眠できるありがたさを身に染みて感じています。
睡眠の質が上がることで、2日目以降の釣りのモチベーションが格段に上がります。
現地での機動力が圧倒的
釣り場周辺では、狭くて未舗装の悪路が多くあります。
軽バンはもともと車幅が狭く、車高を上げたことで、草ぼーぼーの深い轍(わだち)の未舗装路も余裕で入って行けます。
普通車では遠くに車を停めて歩いてアクセスしていたポイントにも、車で入って行くことができます。
結果的にポイントの選択肢が増え、時間も効率的に使うことができるようになります。
ロッドがそのまま天井に積める
バス釣り用のワンピースロッドで、8フィートぐらいまでなら、天井にまっすぐ収納できます。
最近、琵琶湖でもエブリイを見かけるようになったのは、これが大きいと思います。
この投稿をInstagramで見る
ランニングコストが圧倒的に安い
燃費、税金、保険、高速道路、パーツ代、すべてにおいて普通車に比べて圧倒的に桁違いに安価です。
前車が、ハイオクで8km/リットル程度だったので余計に、、、(笑)
災害対策として
例えば竜巻や地震などで家が倒壊しても、この車さえ残れば、生活の質の低下が軽減できるのではと考えています。
コロナウイルス対策として
宿泊施設を使用するレジャーにくらべ、ヒトとの接触を圧倒的に少なくすることができます。
また、災害等で避難勧告が発令されても、密な避難所に行くことを避け、車内で快適に待機できるメリットは大きいと思います。
軽バンの車中泊仕様のデメリット
高速道路はつらい
前車が300psオーバーのスポーツカーだったこともあり、高速道路ではひたすら我慢を強いられます。
また、横風に弱く、ハンドルを大きく取られるのでヒヤヒヤします。
長時間運転がつらい
軽バンはそもそも、長距離運転を想定していないと思います。
MTでクラッチ操作があることも大きいと思いますが、1時間でケツが痛くなってきます。
良い言い方をすれば、適度な休憩を促されます(笑)
雨音がうるさい
最近よくあるゲリラ豪雨的な大粒の雨が天井にあたると、雨音はかなりうるさいです。
天井全体に吸音材を挟むデッドニングを施せばマシになるかもしれませんが、自分はしていません。
天候にかかわらず、寝るときは耳栓をしますので(笑)
ここだけは気を付けよう
エブリィの4WDはしょぼい
エブリィの4WDを過信してはいけません。私自身、ジムニーやエスクード(初代)に乗っていた時期がありますが、まったく別のモノです。
粘り気のある泥、砂浜やその周辺を通るときは、充分注意してください。
LSDを装着することで、ある程度改善できるはずです。実は、今いちばん欲しいのがLSDです。
見た目より実用性を重視しよう
最近はエブリイのリフトアップ仕様の車を、よく見かけるようになりました。
主流は4インチリフトアップのようです。見た目にも4インチアップの方が迫力があり、カッコイイのは間違いありません。
しかし、標準ルーフならまだしも、ハイルーフを4インチアップしてしまうと、高さの制約を受け、逆に機動力が落ちると思います。
下の写真のようなところや、立体駐車場での高さ制限もありますし、山奥で樹木が垂れ下がっているようなところは躊躇することになります。
前述したとおり、重心が上がり、ロール量が増えることによるデメリットも出てくると思います。
また、駆動系に無理がかかることによる耐久性の低下も気になります。
自分は長く乗りたいので、あえて2インチアップで抑えました。
リフトアップは、機動力を高めるための「手段」であり、「目的」ではありません。
見た目重視で高く上げること自体を目的にしてしまうと、結果的に幸せになれません。
軽バンリフトアップが釣り車最強だった
何度も言いますが、軽バンリフトアップに乗り換えたことで釣りの世界が広がりました。
この車にたどり着くまでに、随分と余計なコスト(時間、お金)を使ってしまったと思っています。
今後も長く乗っていきたいと考えております。
より詳細なパーツ情報や追加グッズ等インプレは随時、記事にしていきます。
コメント